呼吸器外科

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呼吸器外科について

肺がんを中心とした呼吸器外科の手術を必要とする患者さんに対し、基幹病院として、高度でしかも患者さん本位の医療を、安全に提供しつつ、次世代の人材の育成と将来の新しい医療の研究を行います。

  1. インフォームドコンセントの上、患者さん本位の医療を提供します。
  2. 科学的根拠に基づいた医療を提供します。
  3. 患者さんに優しい医療を提供します。
  4. 病診連携を深め、地域と密着した医療を提供します。
  5. 研修医、専門医の育成に努めます。
  6. がん研究の基幹病院と全国、あるいは九州の臨床研究に参加します。

診療分野

  1. 肺がんに対する、検診の精査、気管支鏡などによる診断、治療(主に手術)、再発後の治療(主に手術)、術後の呼吸器疾患の治療、さらに終末期の緩和医療と一貫した治療を行い、最後まで責任をもって治療にあたります。
  2. 診断治療にあたって、肺がんのガイドラインに従い、患者さん・ご家族の意向を尊重しながら診断・治療を行います。
  3. 診断、治療に関しては、胸腔鏡手術を導入し、根治性と安全性のバランスの取れた低侵襲手術を提供します。
  4. 全国あるいは九州の臨床研究への参加や大学との共同研究を通し、がん研究に貢献します。
  5. 学生の教育、研修医・レジデント・呼吸器専門医修練医の臨床指導を通し、次世代の人材育成を行います。
  6. 学術論文、学会、研究会を通し、研究成果を報告するとともに、新しい知識を習得し個々の症例に生かします。

診療体制

  1. 診療部長は診療、手術、教育、研究における指導を行います。
  2. 部長以下2人のスタッフにより診療にあたり、個々の症例は全員でディスカッションを行い、治療方針や術式を決定します。
  3. レジデントは、指導医、上級医のもと診療を行い、安全にかつ十分な経験が得られるよう指導します。
  4. 学生の実習においては、指導医、上級医のもと観察、診療、医療行為を行います。

診療内容

呼吸器外科的疾患、肺癌全般、胸部外傷一般

  • 肺悪性腫瘍(肺癌、転移性肺腫瘍など)
  • 肺良性疾患(良性腫瘍、肺嚢胞症、気胸、膿胸など)
  • 縦隔胸壁疾患(胸腺腫、縦隔腫瘍、胸壁腫瘍など)
  • 胸部外傷(外傷性気胸、肋骨・胸骨骨折、肺挫傷など)
  • その他(セカンドオピニオン)

臨床研究

我々は、これからの質の高い医療を提供するために、臨床研究を行っております。
臨床研究は、通常の医療の一貫として行われるものですが、前向きにデータの集積と解析を行うために、患者様に許可をいただくものです。
これらは、当院の倫理委員会にかけ、倫理的に問題のないことを確認しております。
また患者様にはすべて同意をいただいております。ご理解のほどお願いいたします。

全国レベルの共同研究

  • (ア)遺伝子変異による抗癌剤治療
  • (イ)末梢発生肺癌の縮小手術に関する研究

九州レベルでの共同研究

  • (ア)IA期肺癌の術後補助療法(当科が研究代表です。2012年9月登録終了しました。)
  • (イ)切除不能肺癌に対する抗がん剤治療
  • (ウ)特発性肺線維症を合併した肺癌の治療
  • (エ)肺がん術後補助療法の現状に関する研究

大学との共同研究

  • (ア)肺がんに対する導入化学療法後の手術
  • (イ)オピオイド関連遺伝子の個人差の研究

自主研究

  • (ア)気胸に対する再発予防法
  • (イ)気胸に対する術中胸腔ドレナージ抜去
  • (ウ)肺癌術後補助化学療法

肺癌の治療

当科での肺癌切除例は2011年4月には1,500例を超え、大分県では最も多く、九州でも有数の手術症例数です。


1999-2003年までの 肺癌切除272症例の実測5年生存率は、IA期(118)85.4%、IB期(47)75.0%、IIA期(8)25.0%、IIB期(21)33.3%,IIIA期(44)40.7%、IIIB期(27)22.7%、IV期(7)17.1%、全体で62.9%と全国平均より良好です。 また99-03年の30日以内の手術死亡率0.7%と全国平均です。
当科では肺癌の手術症例のみでなく、非切除症例も治療を行っております。


肺癌の検診、診断から、手術、抗ガン剤、放射線療法、術後及び治療後の補助治療、さらに終末期の緩和医療と幅広く治療を行っています。

肺がんについて

【疫学】

現在肺がんは日本人におけるがん死亡数の第1位の疾患であり、2010年には年間約7万人の方が亡くなられています。今後も10年位は増加するとみられています。
肺がんの原因の一つは喫煙であり、禁煙は肺がんの増加を抑制できることが期待できます。
近年女性の肺がんも増加しており、喫煙以外の要因が研究されていますが、その理由は明らかになっておりません。

【原因】

がんの原因は遺伝子の異常であり、自然界では遺伝子の異常をきたす種々の原因があります。
人間は約60兆個の細胞から構成されており、日々多くの細胞が脱落と再生を繰り返しています。
再生に際して、放射線や紫外線、化学物質、ウイルス、たばこに含まれるタールにより、約20億ある遺伝子のうち、がんに関連する部位に異常が起こるとがん化が起きます。
人間にはこれらの異常細胞を排除する免疫機能がありますが、この免疫機能が正常に働かないとがん細胞を排除できなくなり、がんが増殖していきます。

ある程度の大きさになると周囲に浸潤したり、転移を起こして、生体に機能障害をきたします。
老化は免疫機能を低下させる要因の一つであり、年をとればとるほどがんになる確率が増加します。
日本では一生涯に、二人に一人ががんに罹患し、三人に一人ががんで亡くなるとされています。
がんにならないためには、遺伝子が傷害されないようにすればよいのですが、自然界で生活する以上、これらから避けることは困難です。

しかし、禁煙は可能です。一日20本20年以上喫煙すると肺がんになる確率が約4倍に上昇します。
禁煙すると約20年でその確率は、非喫煙者と同等になります。
今からでも遅くはありません。
肺がんになりたくなければ、禁煙することです。

【検診】

がん検診の目的は、がんを早期に発見し、治療することでがんによる死亡率を減少させることです。
がん検診には対策型がん検診(いわゆる住民検診型)と任意型がん検診(いわゆる人間ドック型)があります。
肺がん検診のガイドラインでは、非高危険群(喫煙指数= 喫煙数/日X年数、400未満)に対する胸部X線検査は本邦の症例対照研究から、行うように勧められています。
また、高危険群(喫煙指数400以上)に対する胸部X線検査と喀痰細胞診併用法も同様とされています。

ただし、二重読影、比較読影などの標準的な方法が行われている場合に限るとされています。
低線量CTを用いた肺がん検診は、死亡率減少の効果を示す証拠が不十分なので、行うよう勧めるだけの根拠が明確でないとされ、非低線量CTは被曝の面から検診としては勧められないとされています。

本来検診の意義はランダム試験(肺がん検診を受ける人と受けない人で、肺がんによる死亡率を調べるわけですが、長期にわたり、多くの症例を登録する必要があります。)で証明されるべきですが、現時点では日本においてその試験を行うことは困難です。
しかし、アメリカでは2012年この試験の結果が報告されました。
1年に1回胸部レントゲンを4年にわたり行い、10年以上の経過を観察しました。
結果は、長期生存率に差がなかったために意義はないと結論されています。

しかし、日本肺癌学会の見解は、5から8年では差があったことから、意義があると判断しています。
CT検診については、2012年日立市の検診の結果が報告され、一次検診としての低線量CT検診の導入で、肺がん死亡率が24%減少したと報告されています。
新しい報告として今後が期待されますが、低線量のCT検診は施行できる施設が少なく、認定医、認定技師の育成の問題、喫煙者に公費で行うべきか?などの問題点があります。

【診断】

肺がんは、咳嗽や血痰、胸痛、呼吸困難などの自覚症状で発見される頻度は減少し、検診や他疾患経過観察中のレントゲン、CTで偶然発見されることが多くなりました。
検診車による発見は10万人に40人程度の発見率ですが、CT検診を行うことで約10倍の発見が期待できます。しかし、コストと被爆が問題です。
1回のCTで1年間に自然で被爆(2.4ミリシーベルト)する量の約3-4倍(7-10ミリシーベルト)を浴びることになります。さらに、総被曝量が100ミリシーベルトを超えるとがんの発生率を上昇させるとされています。
肺がんを心配するあまりに通常のCTを何度も撮ると、返ってがんを誘発することになります。リスクと必要性のバランスを考えてCTを撮る必要があります。
最近は、画像の質が落ちますが、低線量CTもあり、被爆量を押さえることができるようになったCT装置も開発されています。

【検査】

近年検診や他疾患の精査による胸部CTで「スリガラス」の陰影が見つかることが多くなりました。
これらはレントゲンで指摘できない比較的早期の肺がんであり、外科的切除により完治できます。
しかしこのような陰影は、5年から10年の経過で進行する、比較的おとなしい肺がんであり、寿命に影響しない可能性もあります。
肺がんの診断には顕微鏡で細胞をみて、がんであることを証明する検査(組織学的検査)が必要です。
その手段としては、気管支鏡下生検、CTガイド下生検、胸腔鏡検査などがあります。
種々の検査でも組織学的な診断ができない場合があります。
その場合は、PET-CTなどの検査により臨床的診断で治療を行うこともあります。
気管支鏡検査では、最近ナビゲーションシステム(BF-NAVI)が導入され、CT画像を処理し、目的とする病変に到達する気管支を同定し、仮想内視鏡画像を作成します。
その画像を実際の気管支鏡の画像と比較しながら、内視鏡を進めて病変により確実に到達できるようにするシステムです。
車のナビと同じです。これに、細いエコーを挿入して、病変部をエコーで確認し、生検を行うシステム(BF-GS)も開発され、病変をより確実に生検できるようになりました。
また、従来は縦隔鏡でしか生検できなかった気管支周囲にあるリンパ節も、エコーガイド下に生検できるようになりました(BF-TBNA)。
CTガイド下肺生検は、気管支鏡検査で組織学的に診断できない場合で、皮膚から針を刺せる部位にある病変をCTで見ながら、皮膚から針をさして組織をとる検査です。
悪性を疑う病変で、手術以外の治療法を選択するか、悪性以外の可能性が高く、手術以外の治療方法がある場合に適当になります。
つまり、組織学的に診断がついても、最終的に手術による切除になる場合はCTガイド下生検の合併症のリスクまで負って行う必要はありません。
CTガイド下肺生検は、気胸、出血は高頻度に見られますが、処置を必要とすることは少ないです。
しかし怖い合併症として気道と肺静脈が交通すると空気が心臓から脳に飛んで脳梗塞を発症するリスクがあります。
致命的になったり、後遺症が残ることがあります。
また、腫瘍が胸腔内にこぼれ落ちたり、皮膚に転移することがあります。
従って、CTガイド下生検をする必要性とリスクをよく考慮して行うことが重要です。
次にPET-CTですが、FDGという放射性物質をつけた糖を静脈内に注射して、時間をおいて写真を撮るだけです。
がん細胞は糖の使用が進んでいるので、糖が取り込まれた部位を画像化し、CTと比較して、どの病変に集積しているか診断します。
これはがん細胞の量に比例しますので、がん細胞の少ない早期肺癌や小さな病変では、がんであっても集積しない場合(偽陰性)があります。
逆に炎症性細胞の集まっている病態、たとえば炎症性の病変でも集まってきます(擬陽性)。
ですから、PET-CTも万全ではありませんが、がんが確定している場合は、他の転移がないか、などの参考になります。
ただし、脳細胞は糖をたくさん使用するので、脳転移はわかりません。
いろんな検査をしても、現在の医学では、一つ一つのがん細胞を指摘することは困難です。
いろんな検査で、転移がなくても、数年して再発することがあります。
検査を行う上で、限界があることは知ってください。
胸腔鏡下の組織採取は、全身麻酔下に行います。
手術中にカメラを見ながら、病変に針を刺して、細胞を取ったり、自動縫合器で切除してから顕微鏡で見る場合があります。
しかしカメラで見ながら、病変をきちんと見つけられるかという問題があります。
印をつける方法もありますが、そのリスクもあり、当院では、小さな開胸(6-8cm)をして、用手的に病変を確認してから確実に生検を行うようにしています。
画像的に90%以上悪性を疑う場合、気管支鏡やCTガイド下生検で、がんと出れば手術、がんと出なくても、放っておけないので、手術が必要になります。
そうであれば、きつい検査やリスクのある検査を飛ばして、迅速に手術を行い、がんであれば、「早く見つかってよかった」、がんでなければ、「がんでなくてよかった」思うのであれば、検査を飛ばして手術中に診断治療を行うことを行っています。

【分類と進行度】

肺がんは大きく小細胞肺がんと非小細胞肺がんに分けます。
小細胞肺がんは進行が早く悪性度が高い反面、放射線や抗がん剤の効果が高く、区別する必要があるからです。
非小細胞肺がんはさらに、腺がん、扁平上皮がん、大細胞がんに分けます。
腺がんは最近増加しており、特に女性に発見されることが多くなりました。
肺の末梢に発生することが多く、喫煙の影響は他のがんより低いとされています。
レントゲンで発見されず、CTで見つかるような比較的早期肺がんも、腺がんが多いです。
扁平上皮がんは喫煙との関係が最も高く、比較的中枢の気管支に発生することが多く、血痰などの症状で見つかることが多いがんです。
大細胞がんは他のふたつに分類できない、細胞の核が比較的大きな細胞のがんです。
肺がんの診断が確定すると、がんの進行度を確認するために病期診断(Staging)を行います。
病期診断は、T因子として「原発巣(がんが発生した場所)の大きさと周囲との関係」N因子「リンパ節への転移の状況」M因子「遠隔転移の状況」の3つの因子により、がんの進行度を分類します。

【治療】

肺がんの治療法は、進行度に従って、おおよそ決められています。
手術の対象となる進行度はIAからIIIA期までで、IIIA期のうち、縦隔リンパ節にあちこち転移のあるものは、完全切除が困難なために、放射線化学(抗がん剤)療法の適応になります。
一般に早期の肺がん(IA期で2cm以下の大きさ)以外の肺がんの術後は、再発予防のために、抗がん剤治療が勧められています。
IIIBでは、一般的に手術の適応になることはありませんが、放射線や抗がん剤の後に手術を行い、術後に抗がん剤治療を行う集学的治療(前記の治療を組み合わせて行うこと)が行われていますが、一般的ではなく、研究レベルであると思ってください。
切除困難なIIIA期、IIIB期肺がんの治療は放射線化学療法です。IV期では、化学療法(抗がん剤治療)の適応です。
治療法の選択は、限局しているか、肺機能、心機能などの全身状態、治療法の伴う合併症やリスク、治療方法の患者さんの希望を勘案して、治療方法を決めます。
治療により、寿命を縮めないように考慮する必要があります。全身状態が悪い(一日半分以上は横になっている)場合は、種々の治療により、治療により寿命を短縮する可能性があり、緩和医療を勧める場合もあります。
肺がん治療の基本は、局所にとどまるがんは外科的治療の適応ですが、臓器機能の低下、手術侵襲、合併症のリスクがあります。放射線療法も局所療法ですが、がんの種類により効果が異なります。
照射野の障害(肺臓炎、食道炎、脊髄炎)があります。
抗がん剤は局所・転移の両方に作用しますが、がんにより効果は不定で、がんが消えることはまれで、副作用があります。
消せないがんは共存状態を保ち、治療の限界がくれば、症状をとりながら、生き甲斐を見つけることがよいです。

【外科切除】

外科手術の基本はがんを取り残さず(根治的)、安全に、機能を低下させることなく、切除することが最大の目標です。
完全にとれないがんは原則的に切除することはありません。しかし、切除により症状が取たり、生活の質が向上するのであれば、生存率とは関係なく切除の意味があります。
手術に伴い致命的な合併症があり得ます。
発生すると返って命を縮めることがあります。
従って、手術は慎重に進める必要があります。

肺がんに対する外科の役割は、がんを取り残さず(根治的)、安全に、しかも体の機能を低下させることなく、切除することが最大の目標です。
そのために、低侵襲手術として胸腔鏡手術が導入されました。
従来30cmの皮膚切開、肋骨を2本切断する後側方開胸が、標準とされた時代がありましたが、現在は6-8cmの小開胸で胸腔鏡を併用した手術や2-4cmの切開が3-4カ所で行う完全鏡視下手術も行われています。
胸腔鏡手術は、低侵襲ですが、出血時の対応や空気の漏れ、腫瘍の部位診断、腫瘍をきちんと取りきれるのか?などの問題点があり、侵襲と安全性のバランスで選択する必要があります。
術後の再発に関してですが、がん細胞は目に見えないので、手術中にどこまで切ったらいいかという境界は、わかりません。
手術中、リンパ節に転移しているどうかの判断も困難です。
画像検査で指摘できない転移(極端には1個のがん細胞の転移)は、現在の医学では指摘は困難であり、完全切除されたと考えられても、早いと3ヶ月、遅いと5年すぎても再発してくることがあります。
従って術後は、再発の有無を調べて行く必要があります。
通常5年過ぎると、がんは治癒したと判断しますが、5年過ぎても5%くらい再発します。
10年で大丈夫かというと、10年過ぎても1%くらいありそうです。
ただ、新たな肺がんとの鑑別は難しいところがあります。
がんが治ったかどうかは、天寿を全うするときに再発による症状がなければ治ったといえます。

【再発予防】

術後は再発予防に抗がん剤の治療を行うことが多くなりました。
行うかどうかも、手術の後の進行度に応じて方針を決めます。
従って、顕微鏡の検査が出てから決まります。するかどうかは本人家族の意向に従います。
IB期の術後はUFTという内服抗がん剤を2年間内服することが勧められます。これは日本人を対象に行われた研究です。
II期、III A期の術後は欧米では、シスプラチンとナベルビンという抗がん剤の併用で5年生存率を10-15%くらい挙げることが証明されています。
日本人ではプラチナ系と新規抗がん剤が勧められています。
しかし1%くらいの方が術後の抗がん剤により寿命を縮めています。
従って、せっかく手術を頑張ってきたのに、抗がん剤で命を落としては何にもなりません。
投与しても、将来再発をきたす効果のない患者さん、投与しなくても再発しない患者さんがいます。
本当に効果のある患者さんは、投与により、再発を防止できる、あるいは再発を先延ばしにできる患者さんです。
効果の期待できる患者さんの頻度はおそらく10-20%と予想されますが、その見極めは現時点の医学では困難です。
治療で、寿命を縮めないように選択することが大切です。

【放射線療法】

放射線治療の基本は、外科的な切除と同様に局所の治療です。転移している病巣には効果はありません。
放射線治療は、局所にとどまるがんで、外科的な切除を希望しない、あるいは、肺機能が悪く、切除により肺機能が低下し、生活に支障がある場合や全身状態から全身麻酔が不可能な場合、根治的ではないが、症状を改善させたり、生活の質を維持させたり、向上させる場合です。
欠点としては、照射野に放射線肺臓炎、食道炎、脊髄炎などが発生します。
致命的な合併症は稀です。放射線治療は約1ヶ月半かかります。外来でも可能ですが、平日の月曜日から金曜日まで毎日照射しますので、遠方の方は入院でおこなっています。
最近は、定位放射線療法ができるようになりました。
通常の照射は、前後から放射線を当てますが、これは病変に対して9方向から照射を行います。
病変部に集中して当てますので、短期間で行えます。
種々な方法がありますが、当院では、1回12グレイの線量を、4回、合計48グレイを照射します。
外来でも可能ですが、入院しても5日ですみます。
定位放射線治療は、進行度がI期で、大きさが3cmくらい、上の方に発生した(下の方は呼吸性の移動が大きいために、集中的に当てることが難しいため適さない。)肺がんに行っています。
I期の肺がんでは、手術と同程度の効果が期待できるとされています。
間質性肺炎の合併している方は、悪化する可能性があるので行えません。
また1時間から1時間半のベッド上の安静が必要ですので、硬いベッドに寝られない方もできません。
副作用は、局所の放射線の肺炎と胸壁に近いと肋骨骨折を起こすことがありますが、致命的になることもありません。

【抗がん剤治療】

抗がん剤投与が必要と考えられる場合は、呼吸器内科や呼吸器腫瘍内科と連携・協力しながら治療を勧めます。

【医療費】

さて、医療費がどのくらいかかるか説明しましょう。
肺がんの入院手術費用(胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術、約2週間の入院、診断の検査、全身麻酔検査は外来で施行)は約180-200万円、放射線化学療法は入院で約200万円、放射線治療の定位放射線療法で80-100万円/週、通常の放射線療法 170-180万円/1.5ヶ月、重粒子線治療約300万円です。
これらは医療としてかかる費用です。
実際の支払いは高額医療制度を使うことで、収入によりますが、1ヶ月8万から15万円になります。

【緩和医療】

がんと直接戦うのではなく、苦痛を取るための治療が『緩和医療』です。患者さんのがんの進行状況に応じて、緩和ケアチームと協力しながら残された時間を有意義に過ごすことが出来るような方法を検討いたします。

診療実績

  

外来担当医表

新患 休診
(手術日)
今井 諒いまい まこと 休診
(手術日)
蒲原 涼太郎かもはら りょうたろう 今井 諒いまい まこと
再来 休診
(手術日)
蒲原 涼太郎かもはら りょうたろう 休診
(手術日)
佐々木 俊輔ささき しゅんすけ 今井 諒いまい まこと

スタッフ紹介

部長 蒲原 涼太郎

  • 日本外科学会 外科専門医
  • 日本呼吸器外科学会 呼吸器外科専門医

医師 今井 諒

専攻医 佐々木 俊輔

  • 日本外科学会 会員

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