適切な意思決定支援に関する指針

適切な意思決定支援に関する指針

2024年3月
大分県立病院

当院では、患者さんやそのご家族など関係者の皆さまの意思を尊重するとともに、適切な意思決定ができるよう以下のとおり指針を定めています。

【基本方針】

 大分県立病院では、人生の最終段階を迎える患者が、その人らしい最期を迎えられるよう、厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等の内容を踏まえ、多職種から構成される医療・ケアチームで、患者とその家族等に対し適切な説明と話し合いを行い、患者本人の意思決定を尊重した医療・ケアを提供することに努める。

【人生の最終段階における医療・ケアの在り方】

  1. 医師などからの適切な情報の提供と説明に基づいて、患者の意思決定を支援するために多専門職種から構成される医療・ケアチームが患者と十分な話し合いを行う。
  2. 意思は変化しうるものであることを踏まえ、患者が自らの意思を示し伝えられるような支援を、医療・ケアチームで行い、繰り返し患者と話し合う。
  3. 患者が自らの意思を伝えられない状態になる可能性があることから、患者との話し合いの際には、家族等の信頼できる者が立ち会うよう積極的に促す。
  4. 人生の最終段階における医療・ケア行為の開始・不開始、 医療・ケア内容の変更、医療・ケア行為の中止は、医療・ケアチームが医学的妥当性を基に慎重に判断する。
  5. 医療・ケアチームにより、可能な限り疼痛やその他の不快な症状を緩和し、患者・家族等の精神的・社会的援助も含めた総合的な医療・ケアを行う。
  6. このプロセスにおいて話し合った内容は、その都度、診療録等に分かりやすく記録する。
  7. 生命を短縮させる意図をもつ積極的安楽死は、本指針の対象としない。

【人生の最終段階における医療・ケアの方針の決定手続き】

 医療・ケアチームが人生の最終段階であると判断した場合、患者が終末期の状態にあることについて患者・家族に説明し、理解と納得を得る。その際、患者は意思を明確に示せる状態である(成人である、適切な症状緩和がなされ苦痛が軽減されている、判断能力があり意思表示が可能)かどうかチームで判断する。

1.本人の意思が確認できる場合

  1. 患者本人の意思を基本とし、家族(もしくは主たる介護者)も関与しながら方針を決定する。必要に応じて、厚生労働省の「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスにおけるガイドライン」を参考にする。
  2. 方針決定時には、患者の状態に応じた専門的な医学的検討を経て、医師等の医療従事者から適切な情報の提供と説明を行う。そのうえで、患者と医療・ケアチームとの間で十分な話し合いを行い、合意形成をはかる。
  3. 時間の経過、心身の状態の変化、医学的評価の変更等に応じて、意思は変化することがあるため、医療・ケアチームは患者が自らの意思をその都度示し、伝えることが出来るように支援する。また、患者が自らの意思を伝える事が出来なくなる可能性もあるため、その時の対応についても予め家族等を含めて話し合いを行う。
  4. このプロセスにおいて話し合った内容は、その都度、診療録等に分かりやすく記録する。

2.本人の意思が確認できない場合

  1. 家族等(代理意思決定者)が本人の意思を推定できる場合は、その推定意思を尊重して決定する。
  2. 家族等が患者の意思を推定できない場合、医療・ケアチームが家族等と十分に話し合い、患者にとっての最善の方針をとる。時間の経過、心身の状態の変化、医学的評価の変更等に応じて、このプロセスを繰り返し行う。
  3. 家族等がいない場合や家族等が判断を医療・ケアチームに委ねる場合は、倫理的に問題がない限り、本人にとって最善と思われる方針を医療・ケアチームで検討し決定する。
  4. これらの決定が困難な場合や、医療・ケアチーム内での合意が得られない場合は、チームが臨床倫理コンサルテーションチームや倫理審査委員会等による話し合いの場を別途設定し、方針等について審議する。

 なお、認知症等で自らが意思決定をすることが困難な場合は、厚生労働省の作成した「認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン」を参考に、家族や医療者が関与し、可能な限り本人の意思を尊重し反映した意思決定を支援する。
 また、身寄りが無い患者における医療・ケアの方針についての決定プロセスは、本人の判断能力の程度や入院費用等の資力の有無、信頼できる関係者の有無等により状況が異なるため、介護・福祉サービスや行政の関わり等を利用して、患者本人の意思を尊重しつつ厚生労働省の「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン」を参考に、その決定を支援する。

【参考資料】

  1. 厚生労働省:人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン、2018
  2. 厚生労働省:認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン、2018
  3. 厚生労働省:身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン、2019

この記事はお役に立ちましたか?

お問い合わせはこちら

気になるキーワードを入力してください。