腎臓内科

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腎臓内科について

当科では、内科的腎疾患の診断・治療と血液透析療法を担当しています。2016年7月に腎臓・膠原病内科が腎臓内科と膠原病・リウマチ内科へ分かれるかたちで設置され、腎臓内科としてより質の高い診療を目指していきたいと考えております。

診療分野

当科で担当する分野は、内科的腎疾患と血液透析療法です。

内科的腎疾患

内科的腎疾患は近年「慢性腎臓病(CKD:chronic kidney disease)」という大きな概念でとらえられるようになりました。しかし、実際の診療においては慢性腎臓病の原疾患(腎障害の原因)とステージ(腎障害の程度)の診断が重要になります。また、「急性腎障害(AKI:acute kidney injury)」で発症し、そのまま慢性腎不全へ至る腎臓病もあります。
いずれにおいても、早期発見により早期に適切な治療を行い、末期腎不全(透析)への進行を阻止することが目標と考えます。

なお、「急性腎障害(AKI)」においては原因が腎臓病以外であることも多く、他診療科との連携が欠かせません。また、当科は腎障害時の薬剤調整や輸液などのコンサルテーションも行っています。

血液透析療法

腎不全が進行し食事や薬物療法で溢水(いっすい)、電解質異常、尿毒症がコントロールつかなくなったら、腎代替療法が必要となります。

現在、腎代替療法としては血液透析、腹膜透析、腎移植がありますが、当院では血液透析療法を行っています。新規に透析を開始する場合の「血液透析導入」と、透析患者さんが入院での手術や検査などを必要とする場合の「入院透析」を主に行っています。透析導入し病状が安定したら、あるいは維持透析患者さんが入院治療を終えたら、近隣の透析施設へご紹介し病診連携診療を図っています。

なお、腹膜透析導入、腎移植は現在当院では行っておりませんが、腎代替療法の選択においては腹膜透析、腎移植を含めた適切な療法選択を患者さんに行って頂けるよう医師、看護師、医療ソーシャルワーカーがサポートします。腹膜透析、腎移植(特に「先行的腎移植:透析を行わずに腎移植を行う方法」)が選択される場合には、大分大学病院、大分赤十字病院など、それぞれの実施可能施設へ紹介し、適切な病病連携を心がけています。

診療体制

腎臓内科のスタッフは3名です。外来は腎臓内科として診療にあたっていますが、入院と透析室の運営は膠原病・リウマチ内科と合同で行っています。
また、当院は日本腎臓学会研修施設および日本透析医学会教育関連施設に認定されています。

診療内容

腎生検

腎臓病の治療を行う上では原因診断が必要です。診断には、病歴、尿検査、血液検査、画像検査、腎病理検査、などの複合的な診断が必要ですが、中でも重要なのは腎生検です。
腎臓内科では、エコーガイド下針腎生検を行っています。超音波画像を確認しながら、背中から局所麻酔下に針を刺して腎臓の組織を採取します。出血合併症のリスクを抑えるため、検査後3日間は入院安静としています。

腎生検は、その病理組織像より腎臓病の原因診断と重症度を知ることが出来るため、治療方法選択と今後の病気の進行を予測する上でたいへん重要な検査です。但し、出血合併症や感染のリスクがあるため、検査の必要性と実施可能かどうかについては十分に検討します。

腎生検病理組織像

急速進行性糸球体腎炎(82歳女性)、細胞性半月体形成を伴った活動性の高い組織像(左:PAS染色200倍拡大、右:PAM染色400倍拡大)

IgA腎症に対するステロイド療法

IgA腎症は原発性糸球体腎炎の中で最も多く、未治療の場合は約20年の経過で30~40%が腎不全へ進行すると考えられています。わが国におけるIgA腎症患者の腎生検診断時の年齢は10~20歳と35~45歳にピークがあり、その約70%が学校や職場での検尿異常により発見されます。すなわち無症状のうちに発症し進行するため、腎不全へ進行するリスクの高い患者さんを早期に発見し早期に治療することが重要となります。

尿検査、血液検査、腎生検により透析へ至るリスクが高いと診断した患者さんに対しては、ステロイド療法を行います。当科では、Hottaら(※)により提唱されたステロイドパルス療法(メチルプレドニゾロン0.5g/日×3日間、プレドニゾロン 30mg/日×4日間を3クール)を3週間入院で行い、その後1年間外来通院で漸減中止する方法を行っています。

また、IgA腎症の発症進展に大きく関与すると考えられる口蓋扁桃の切除(口蓋扁桃摘出術)を耳鼻咽喉科に依頼し、IgA腎症の寛解を目標としています。
(※参考文献 Hotta O, et al. : Tonsillectomy and steroid pulse therapy significantly impact on clinical remission in patients with IgA nephropathy. Am J Kidney Dis, 38 : 736-743, 2001. )

原発性ネフローゼ症候群に対するステロイド療法・免疫抑制療法

ネフローゼ症候群は腎臓で尿が作られる際に大量の蛋白質が漏出し、その結果として低蛋白(低アルブミン)血症を来し、浮腫、高コレステロール血症、血栓症、などさまざまな合併症を生じる症候群です。2010年度厚生労働省の調査研究班による成人ネフローゼ症候群の診断基準では、「蛋白尿3.5g/日以上が持続し、低アルブミン血症3.0 g/dl以下の両所見を認めること」とされています。原発性(一次性)ネフローゼ症候群と続発性(二次性)ネフローゼ症候群に分かれますが、原発性ネフローゼ症候群の場合はステロイド療法や免疫抑制療法が必要となります。

ステロイド療法は、副腎皮質ステロイドの抗炎症作用を治療に用いるもので、原発性ネフローゼ症候群の治療としては重要な方法です。しかし、副作用を伴うため副作用の予防や治療も同時に行う必要があります。

免疫抑制薬は、ステロイド療法でネフローゼが寛解しない場合や副作用によりステロイド減量が必要な場合に投与します。免疫抑制薬の併用によりネフローゼは寛解しやすくなりますが、やはり副作用に対する注意も必要となります。

なお、糖尿病性腎症やアミロイド腎症などの続発性ネフローゼ症候群は、それぞれの原疾患の担当科(内分泌・代謝内科、血液内科、など)と連携をとりながら診療にあたっています。

急速進行性糸球体腎炎(RPGN:rapidly progressive glomerulonephritis)の治療

急速進行性糸球体腎炎(RPGN)は、血尿、蛋白尿などの検尿異常を伴い、数週間から数カ月の経過で急速に腎不全へ進行する病気です。腎生検病理組織像で半月体形成を伴う活動性の高い激しい糸球体腎炎であることが多く、腎不全への進行を抑制するためには早期に強力な治療(ステロイド療法・免疫抑制療法)を行う必要があります。但し、強力な治療による副作用にも注意が必要です。
原因は種々あり、代表的な疾患は抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連腎炎、抗糸球体基底膜(抗GBM)抗体型腎炎、全身性エリテマトーデス(ループス腎炎)、IgA血管炎(紫斑病性腎炎)、などです。

CKD外来、CKD入院

腎臓病の治療は薬物療法と食事療法が中心となります。
薬物療法は、原疾患に対するステロイド・免疫抑制薬などの他に、高血圧症、高コレステロール血症、高尿酸血症、など生活習慣病に対する薬物療法も腎臓病進行予防のために重要となります。更にCKDステージが進行すると、それまで投与していた薬剤の減量が必要になったり、貧血や酸血症(アシドーシス)などCKD進行に伴う症状に対する薬剤の投与が必要になります。

食事療法としては減塩、適切なカロリーと栄養バランス(蛋白制限)が必要となります。管理栄養士による栄養指導を行いますが、実際に日常生活の中で行うには大変な努力が必要であったり、忙しい日々の中では困難であったりするものと思われます。また、過度な減塩やカロリー制限により脱水状態や低栄養となり逆に腎機能を悪化させる場合もあります。

当科では、可能であれば食事療法と薬剤調整のための入院をお勧めし、外来通院では看護師による日常生活管理指導、管理栄養士による食事指導を繰り返し受けて頂くことをお勧めしています。また、生活習慣病などの日常生活管理が重要のため、必ずかかりつけ医(ホームドクター)をお持ち頂くようにお願いしています。

血液透析導入

腎不全が進行し食事療法や薬物療法で溢水(いっすい)、電解質異常、尿毒症がコントロール出来ない場合は、腎代替療法へ治療を移行します。腎代替療法(血液透析、腹膜透析、腎移植)選択の後、血液透析が選択された患者さんでは、血液透析導入を行います。血液透析を行うためのバスキュラーアクセス(内シャント)手術は心臓血管外科にて行われます。バスキュラーアクセスが透析導入に間に合わない場合は、透析用FDLカテーテル(透析用の管)を留置します。
血液透析導入は原則として入院で行います。尿毒症症状(倦怠感、食欲低下など)や肺水腫による呼吸困難が改善し、ドライウェイトの設定、薬剤調整、食事指導、日常生活指導を行った後に退院となります。退院後は自宅近くの透析病院またはクリニックへご紹介しています。

診療実績

外来担当医表

新患・再来 休診 縄田 智子なわた ともこ
山口 奈保美やまぐち なほみ
休診 縄田 智子なわた ともこ
山口 奈保美やまぐち なほみ
休診

受診:9:30~
対診:9:00~
※8月11日から一部担当医が変更になります。

スタッフ紹介

部長 縄田 智子

  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本腎臓学会腎臓専門医・指導医
  • 日本透析医学会透析専門医・指導医

嘱託医 丸尾 美咲

  • 認定内科医
  • 日本腎臓学会会員
  • 日本透析医学会会員

嘱託医 山口 奈保美

専攻医 鈴木 智子