血液内科

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血液内科について

大分県内で血液疾患の診療を行っている医療機関は限られていますので、大分市内のみならず大分県下各地域の患者さんの診療を担当させて頂いています。また、大分大学医学部附属病院、大分市医師会立アルメイダ病院、大分記念病院、大分県厚生連鶴見病院、南海医療センターなどの血液疾患診療施設とも連携しながら診療しています。

6階東病棟と6階西病棟に合計35床の入院ベッドを有しています。そのうち、造血幹細胞移植や強力な化学療法を受けられる患者さんが入室する無菌病室が15床あります。

当科では定期的に病棟カンファレンスを行い、患者さんの治療方針について話し合いを行っています。標準的な治療法の実践を目指しますが、患者さんの年齢、体力、合併症などを考慮して治療方針を検討し、患者さん自身と相談して最善の治療法を選択するようにしています。

外来での化学療法も積極的に行っていて、患者さんの生活の質の維持・向上をめざして、自宅で生活を送りながら抗がん剤による治療を受けられるようにしています。
治療方針につきまして他の医療施設にセカンドオピニオン外来の受診を希望される場合は紹介状を作成いたしますので、主治医に申し出てください。

診療分野

当科では白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫といった血液悪性疾患を主体に、各種貧血や血小板減少症などの血液の病気全般にわたって診療をしています。
骨髄バンク及び臍帯血移植認定施設であり、自家末梢血幹細胞移植に加え、血縁・非血縁者間の骨髄あるいは末梢血を用いた造血幹細胞移植、および臍帯血移植も行っています。
さらに、エイズ治療拠点病院としてHIV感染及びエイズの診療も担当しています。

診療体制

当院の血液内科は医師5名が診療に従事しています。他の診療科、看護部、検査部、輸血部、放射線部、薬剤部、リハビリテーション部、栄養管理部、地域医療連携室などの各部門と協働しながら、患者さんにとって最良の血液診療を提供することを目指しています。

診療内容

休日・祝日を除いた月曜日から金曜日まで外来診療を行っています。各曜日担当の医師が新患及び再来患者さんの診療をいたします。

初診の方は御紹介頂く医療機関からの紹介状、人間ドックや検診の結果報告書、お薬手帳などを持参して新患受付をされて下さい。問診、診察の後、血液検査や骨髄検査、画像検査を行います。緊急性のある患者さんは即日入院となることもあります。

再来の方は再来受付をされて、血液検査のある患者さんは2階の中央採血室で採血をされ、画像検査のある患者さんは検査を済まされた後に受付2で受付をされて下さい。血液検査の結果が判明するまでおよそ1時間程度かかります。

造血幹細胞移植外来

白血病などの血液疾患に対して同種造血幹細胞移植を受けた患者さんを対象とした外来です。移植後は、免疫機能の低下で感染症のリスクが高く、移植細胞由来のリンパ球による過剰な免疫反応が起きます。この専門外来では同種移植後の合併症に対する治療を行いながら、移植後に生じる様々な悩みの相談にも対応しています。

  • 造血幹細胞移植後 専門外来

  • 毎週水曜日 午前8:30〜12:00(要予約)

血液検査

赤血球数、白血球数、血小板数の測定、肝機能、腎機能、炎症反応(CRP)などの生化学・免疫学的検査、血液凝固能や輸血関連の検査などを行います。

骨髄検査

骨髄は血液細胞を作る工場です。原因不明の血球減少を認めたり、白血病などの造血器腫瘍が疑われる場合に骨髄検査を行います。外来でも安全に行える検査です。

  • 原則として腸骨(骨盤の後ろ側の骨)から行います。
  • ベッドにうつ伏せになって頂き、消毒を行い清潔なシーツをかけます。皮膚及び骨の表面に局所麻酔を行います。
  • 骨髄穿刺針を刺して骨髄液を2回吸引します。吸引されるときに痛みを伴います。
  • 骨髄穿刺針を抜いて、消毒を行った後にガーゼで圧迫しテープ固定して、20分間安静にします。
  • 出血や痛みがないことを確認して終了となります。

画像検査

レントゲン撮影、CT撮影、超音波検査などを必要に応じて行います。
悪性リンパ腫と診断された患者さんには病気の広がりを診断するために検出感度の高いPET/CT撮影について提案させて頂きます。PET/CTは当院では施行できませんので別府市の大分先端画像診断センターに依頼します。

主な疾患

当科での診療対象となる主な疾患は以下のものがあります。

  • 造血器腫瘍
    • 急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病
    • 骨髄異形成症候群
    • 骨髄増殖性腫瘍
    • 悪性リンパ腫(成人T細胞白血病/リンパ腫を含む)
    • 多発性骨髄腫
  • 各種貧血
    • 鉄欠乏性貧血
    • 巨赤芽球性貧血
    • 溶血性貧血
    • 再生不良性貧血、赤芽球癆
  • 出血性疾患
    • 免疫性血小板減少症(特発性血小板減少性紫斑病)
    • 血栓性血小板減少性紫斑病
    • 播種性血管内凝固症候群
    • 先天性/後天性血友病

急性骨髄性白血病・急性リンパ性白血病

急性骨髄性白血病・急性リンパ性白血病は血液を造る骨髄で白血病細胞が増殖することにより赤血球、白血球、血小板が減少して貧血、感染症、出血症状を引き起こします。また、白血病細胞は全身の様々な臓器へ浸潤することで呼吸不全、肝機能障害、腎機能障害、中枢神経障害などの臓器障害を引き起こすこともあります。あらゆる年齢層に発症しうる病気であり、適切な治療を早急に行わなければ生命に関わる病気です。

骨髄検査を行い、表面抗原解析や染色体検査、遺伝子検査も実施して細かい病型診断をいたします。
入院して頂き、「寛解(かんかい)導入療法」という強力な抗がん剤治療を開始します。急性骨髄性白血病では我が国で標準治療とされているJALSG AML 201プロトコールに従ってイダマイシン+キロサイドもしくはダウノマイシン+キロサイド併用療法を行います。急性リンパ性白血病はJALSGもしくはJSCT研究会の治療プロトコール、もしくはhyper CVAD/MA療法などを行います。

寛解状態(検査で異常を認めない状態)となった患者さんには原則として初回と同様の強力な化学療法である「地固め療法」を数コース行います。

特殊な染色体異常や遺伝子異常を認める場合にはそれぞれに推奨される治療法を行っていきます。抗がん剤治療のみでは再発をしやすい病型では積極的に同種造血幹細胞移植を考慮します。

骨髄異形成症候群

骨髄異形成症候群は造血幹細胞の遺伝子・染色体に傷がつき、造血不全による血球減少(貧血、白血球減少による易感染性、出血)を来たしたり、白血病のように異常な細胞が増殖したりする疾患です。病状にはかなり幅があり、血球減少の程度や骨髄検査の所見から低リスク群と高リスク群に分けられます。

根治を目指すためには同種造血幹細胞移植が必要となりますが、病気の状態や年齢、合併症、ドナーの有無などにより決定していきます。低リスク群では輸血療法を中心とした支持療法が主体となり、免疫抑制療法を行うこともあります。高リスク群ではビダーザという脱メチル化薬や抗がん剤による化学療法を行います。

慢性骨髄性白血病

慢性骨髄性白血病はフィラデルフィア染色体という9番染色体と22番染色体の転座が造血幹細胞に生じることにより血液細胞の増殖をきたす疾患です。

多くの患者さんは発症時には無症状で、検診や他の病気で血液検査をされた際に白血球数や血小板数が増加していることをきっかけに診断されます。この無症状の状態を‘慢性期’と呼びます。その後治療がなされないと年単位で‘移行期’に、最終的には急性白血病と同様の‘急性転化期’に移行します。
慢性骨髄性白血病はフィラデルフィア染色体により生じるbcr/abl遺伝子が作るタンパクが血液細胞の増殖に関与しています。この細胞増殖に関わるタンパクの働きをブロックするチロシンキナーゼ阻害剤という分子標的薬が用いられるようになり、治療成績は飛躍的に改善しました。第一世代のイマチニブ(グリベック)、第二世代のニロチニブ(タシグナ)やダサチニブ(スプリセル)などがあり、いずれも飲み薬で、有効であれば内服継続により病気をしっかりと抑えることができます。患者さんの状態や副作用などを考慮して、より適している薬を選択いたします。

悪性リンパ腫

悪性リンパ腫はリンパ球が腫瘍になった病気です。全身のあらゆる臓器・組織から発生しうる病気で、リンパ節腫大や腫瘤形成をきたします。

悪性リンパ腫は大きくホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に分けられます。非ホジキンリンパ腫はB細胞リンパ腫とT/NK細胞リンパ腫に分類され、さらに細かく病型分類がされています。病型ごとに病状の経過や治療法が異なってきますので最初にしっかりとした診断をすることが大切です。悪性リンパ腫の診断はリンパ節や腫瘤の一部を生検することでなされます。顕微鏡標本を作製し病理医が診断します。リンパ腫の病型診断には通常1~2週間程度を要します。

また、病気の広がりも治療方針を決定するのに重要な役割を果たします。病気の広がりを評価するために、CT検査(もしくはPET/CT検査)や骨髄検査などの検査を治療開始前に行います。
ホジキンリンパ腫ではABVD療法、非ホジキンリンパ腫ではCHOP療法が標準的な治療法であり、CD20陽性B細胞リンパ腫ではリツキサンを併用します。非ホジキンリンパ腫ではさらに詳細な病型分類を行い、それぞれの病型に応じた適切な治療法を選択するわけですが、さらには、病気の広がり、患者さんの年齢や合併症を考慮して治療方針を決めます。

多発性骨髄腫

多発性骨髄腫は抗体(免疫グロブリン)というタンパクを作る形質細胞が腫瘍となった病気です。
貧血、腎機能障害、骨病変(病的骨折)などの症状を引き起こします。症状がなく血液検査での異常(貧血、高蛋白、腎障害)を指摘されて診断される方もいらっしゃいます。診断確定のために骨髄検査を行います。

以前は抗がん剤治療が主体でしたが、分子標的薬(プロテアソーム阻害剤や抗体製剤)や免疫調節薬といった新規薬剤が次々に登場し、これらの薬剤とステロイドを組み合わせた治療が行われるようになってきています。初発例に対しては、ベルケイド、レブラミド、デカドロンによる治療を行います。重篤な合併症のない70歳未満の患者さんには自家末梢血幹細胞移植を組み入れた治療を行います。再発・難治例に対しては、カイプロリス、ニンラーロ、エムプリシティ、ダラザレックス、ポマリストなどの新薬を前治療や病状に応じて選択して治療を行っていきます。

診療実績

年次別新患入院患者数(造血器悪性腫瘍)

                                                                                                                                         
  2012 2013 2014 2015 2016 2017 20182019
急性白血病 19 16 21 16 21 23 1421
骨髄異形成症候群 10 9 12 4 11 13 54
慢性骨髄増殖性腫瘍 2 2 8 1 2 8 22
悪性リンパ腫 64 46 51 58 54 67 7469
成人T細胞白血病 5 12 12 9 10 9 79
多発性骨髄腫 10 10 11 11 16 14 1313
合計 110 95 115 99 114 134 115118

年次別造血細胞移植件数

              
  2012 2013 2014 2015 2016 2017 20182019
自家移植 6 11 9 15 10 11 13 12
同種移植 21 17 21 23 20 21 14 11
血縁 8 4 5 10 10 9 4 2
非血縁 13 13 16 13 10 12 10 9

外来担当医表

新患 佐分利 益穂さぶり ますほ 宮﨑 泰彦みやざき やすひこ 高田 寛之たかた ひろゆき 大塚 英一おおつか えいいち 坂田 真規さかた まさのり
再来 大塚 英一おおつか えいいち
宮﨑 泰彦みやざき やすひこ
佐分利 益穂さぶり ますほ
佐分利 能生さぶり よしお
宮﨑 泰彦みやざき やすひこ
高田 寛之たかた ひろゆき
高田 寛之たかた ひろゆき
佐分利 益穂さぶり ますほ
大塚 英一おおつか えいいち 佐分利 能生さぶり よしお
大塚 英一おおつか えいいち
坂田 真規さかた まさのり

【専門外来】
◆造血幹細胞移植後専門外来:毎週水曜日午前8:30~午前12:00(要予約)

スタッフ紹介

部長 大塚 英一

  • 日本内科学会 認定医
  • 日本血液学会 指導医
  • 日本造血細胞移植学会会員

部長(輸血部) 宮﨑 泰彦

  • 日本内科学会 認定医
  • 日本血液学会 専門医
  • 日本造血細胞移植学会会員
  • 日本エイズ学会会員
  • 日本輸血学会 認定医

主任医師 高田 寛之

  • 日本血液学会 専門医
  • 日本造血細胞移植学会 認定医
  • 日本内科学会 認定医
  • 日本内科学会 総合内科専門医
  • 日本がん治療認定医機構 認定医
  • 日本感染症学会会員

主任医師 佐分利 益穂

専攻医 坂田 真規

  • 日本内科学会 会員
  • 日本血液学会 会員
  • 日本造血幹細胞移植学会 会員