新型タバコは安全なのか⁉

大分県立病院ニュース

2025年08月26日

 喫煙によりひきおこされる健康障害は、悪性腫瘍、脳血管障害、狭心症などの循環器疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支喘息などの呼吸器疾患、胃・十二指腸潰瘍などの消化器疾患、胎児死亡、生殖機能低下、低出生体重児出産などの産婦人科疾患など多岐にわります。タバコの健康被害については幅広く知られており、最近では喫煙率が減少しています。

 一方、近年新型タバコ(加熱式タバコや電子タバコ)が流通しています。

 加熱式タバコは、タバコ葉を詰めたヒートスティックを高温で加熱し、エアロゾルを吸入します。タバコ葉を使用するため、ニコチンやタールを含有していますので健康被害が懸念されます。

 電子タバコは、プロピレングリコール、植物性グリセリン、香料などが入ったリキッドフレーバーを加熱して発生した蒸気を吸入します。ニコチンやタールを含有していないため安全と思われがちですが、プロピレングリコールを加熱すると発がん性が指摘されているホルムアルデヒドやアセトアルデヒドが生成されます。アメリカでは、電子タバコが原因とみられる呼吸困難、息切れ、胸痛、嘔吐、下痢、発熱といった健康被害がすでに報告されています。

 新型タバコは従来のタバコとは異なるので安全だと思われがちですが、我々は認識を改めなくてはなりません。

(呼吸器内科 部長 安東 優)

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