目に見えるがん、皮膚がんとは

大分県立病院ニュース

2025年07月28日

 皮膚がんは目に見えるがんであり、自分で早期発見が可能です。日本人には基底細胞がん、有棘細胞がんが多く、これらは顔面が好発部位であり紫外線が関与していると言われています。基底細胞がんは悪性度が低く転移を起こすことはほぼありませんが、有棘細胞がんは日焼けした皮膚や、やけど等の傷跡から発生し、進行するとリンパ節等に転移を認めます。どちらも早期の治療が必要です。
 また進行の早いがんとしてはほくろのがん、メラノーマとも呼ばれる悪性黒色腫があります。悪性度が高く、進行すると高い確率でリンパ節や臓器への転移をおこします。発症初期は、良性のほくろのように見えることが多いため注意が必要です。

 皮膚がんを疑った場合はダーモスコープという拡大鏡で詳しく検査します。痛みのない検査ですが、拡大することで皮膚の内部まで観察することができます。皮膚がんが疑われる場合は、実際に皮疹の一部または全部を切除して確定診断します。

 初期の場合は液体窒素を使用してがんを凍結させる方法や、がんに塗り薬を外用する方法がありますが、進行している場合は手術が必要です。皮膚がんより少し離して一回り大きく切除します。手術後の傷が大きくなり、顔や足底など整容面や機能を考えないといけないことも多く、このような場合は形成外科へ再建をお願いしています。

 皮膚がんは他のがんと同じように早期発見が大事であり、日頃からよく自分の皮膚を観察することで早期に発見できます。気になる皮疹がある場合はぜひ皮膚科を受診してください。

(皮膚科 部長 石川 一志)

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