腎臓病の種類と特徴 ”治る腎臓病”と”治りにくい腎臓病”

大分県立病院ニュース

2020年03月26日

 腎臓の病気は「慢性腎臓病(CKD)」と「急性腎障害(AKI)」の2つに分類されますが、実際には様々な症状が様々な程度に起こります。そして病気の原因や状況(病態)によって、"治る腎臓病"と"治りにくい腎臓病"があります。どちらのタイプの腎臓病かを認識し、適切な治療と日常生活の管理を心がけましょう。

①"治る腎臓病"

 急性の腎臓病は発症が急激で症状も強いものが多いですが、治療により改善する病気も多いです。子供さんにみられる「急性糸球体腎炎」や、脱水症が原因で起こる「急性腎不全(腎前性腎不全)」は"治る腎臓病"の代表です。また、一次性ネフローゼ症候群の中で「微小変化型ネフローゼ症候群」、慢性糸球体腎炎の中で「IgA腎症」は、長い期間をかけて治療を行うことで、薬を飲まなくても症状がみられなくなる患者さんが多くおられます。
 但し、"治る腎臓病"であっても治療を中断したり再発を繰り返したりすることで"治りにくい腎臓病"へ移行します。適切な時期に適切な治療を行うことと、日頃の体調管理や感染予防が重要です。

②"治りにくい腎臓病"

 慢性に発症し自覚症状なく経過する腎臓病は"治りにくい腎臓病"の場合が多いです。「糖尿病性腎症」「腎硬化症」がその代表です。また「多発性嚢胞腎」などの遺伝的原因や、「難治性ネフローゼ症候群」「急速進行性糸球体腎炎」「アミロイド腎症」などの"指定難病"は決定的な治療法がなく、末期腎不全への進行を阻止することが治療の目標となります。
 "治りにくい腎臓病"であっても、症状の早期であれば、治療の継続と適切な生活管理により末期腎不全、透析への進行が抑制できる場合も多々あります。特に「糖尿病性腎症」と「腎硬化症」は発症予防が最も重要であり、進行阻止も十分可能です。
 私たちと一緒に根気強く治療を続けましょう。

 慢性に発症し自覚症状なく経過する腎臓病は"治りにくい腎臓病"の場合が多いです。「糖尿病性腎症」「腎硬化症」がその代表です。また「多発性嚢胞腎」などの遺伝的原因や、「難治性ネフローゼ症候群」「急速進行性糸球体腎炎」「アミロイド腎症」などの"指定難病"は決定的な治療法がなく、末期腎不全への進行を阻止することが治療の目標となります。
 "治りにくい腎臓病"であっても、症状の早期であれば、治療の継続と適切な生活管理により末期腎不全、透析への進行が抑制できる場合も多々あります。特に「糖尿病性腎症」と「腎硬化症」は発症予防が最も重要であり、進行阻止も十分可能です。
 私たちと一緒に根気強く治療を続けましょう。

(腎臓内科 部長 縄田智子)

※掲載内容の詳細は各科外来・各病棟でお尋ねください。

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