新しい緑内障の低侵襲治療について
大分県立病院ニュース
2026年03月03日
近年、低侵襲緑内障手術(MIGS: Micro Invasive Glaucoma Surgery)といわれる新たな治療法が開発され、これまでの緑内障治療に変革をもたらしました。
大分県立病院眼科では2025年度から、このMIGSの一つである「iStent inject® W」を併用した白内障手術を開始しています。「iStent inject® W」は長さ0.3mmという微小なステントで、世界で最も小さい医療機器です。これを線維柱帯(せんいちゅうたい)にインプラントすることで房水排出を促進し、術後の眼圧下降が期待できます。
適応は白内障を合併した軽度から中等度の開放隅角(ぐうかく)緑内障です。従来の緑内障手術と比べて手術侵襲が少なく、手術に要する時間が短いことが大きなメリットです。緑内障手術の術後合併症の一つに前房出血がありますが、その発生リスクが高いとされる抗凝固薬を使用中の患者さんにも比較的安全に手術を受けていただくことが可能です。
緑内障は日本における失明原因の第一となっており、今後も多くの患者さんの長期的かつ適切な眼科的フォローが必要な疾患です。「iStent inject® W」はその治療選択肢を広げる新たな医療機器です。今後も当科では適切な症例に「iStent inject® W」の施行を検討していく計画です。
