ケロイドと肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)のお話

大分県立病院ニュース

2022年06月28日

 ケガや手術等で縫合した傷は、7日間程度でふさがりますが、皮膚の下では炎症が持続しています。この過程でケロイドや肥厚性瘢痕になる要因が加わると、傷跡が盛り上がってくることがあります。これをケロイドまたは肥厚性瘢痕といいます。

ケロイドとは、、、

 もともとの傷跡の範囲を超えて隆起増大し、痛みかゆみを伴うもの

肥厚性瘢痕とは、、、

 傷跡の範囲を超えずに隆起するもの

<ケロイド・肥厚性瘢痕の原因・要因

・体質 ・女性ホルモン ・高血圧 ・物理的刺激 等

<ケロイド・肥厚性瘢痕の予防

・テープ圧迫保護 ・内服薬(トラニラスト)

体質やホルモンは予防が困難ですが、物理的な刺激はテープで保護することにより予防が可能です。
剥離刺激(剥がすときの刺激)が少なく、伸びないテープを使用します。
成熟期に至るまで、3ヶ月~1年程度保護を継続します。
体質がある方には内服薬を併用して予防することもあります。

<ケロイド・肥厚性瘢痕の治療

  1. 副腎皮質ホルモン(ステロイド)…塗り薬、貼り薬、注射薬があり、この順に治療効果はあがります。
  2. 手術+放射線照射…手術のみでは再発する可能性が高いですが、術後に少量の放射線照射を組み合わせることで再発率を下げることができます。
  3. レーザー治療…赤みを抑えることを目的として照射することがあります。
  • ケロイド・肥厚性瘢痕の治療は多岐にわたり、難治であることも多いです。
  • 個々のケロイド・肥厚性瘢痕の状態と患者様の希望に応じて治療を選択しています。
  • 大分県立病院形成外科では、レーザー治療以外の治療を行うことができます。

(形成外科 部長 加藤 愛子)

この記事はお役に立ちましたか?

お問い合わせはこちら

気になるキーワードを入力してください。