皮膚の前がん病変:日光角化症(にっこうかっかしょう)について ~皮膚がんになる前に治療を開始しましょう~

大分県立病院ニュース

2021年08月31日

 皮膚の前がん病変とは  ◀

 前がん病変とは、がんになる手前の状態をさします。皮膚の前がん病変の一つに日光角化症という病気があります。皮膚の表側には有棘(ゆうきょく)細胞の層からなる表皮があり、その下に線維や血管のある真皮があります。日光角化症はがん細胞が表皮内にとどまった状態をさしますが、日光角化症を長い間放置すると、がん細胞が真皮にまで浸潤した有棘細胞がんに進行することがあります(図1)。有棘細胞がんは他の場所に転移する可能性があるため、有棘細胞がんになる前の日光角化症の段階で治療ができることが望ましいです。

 日光角化症の特徴    ◀

 日光角化症は、顔や手の甲など、長年にわたり日光を浴び続けた場所に生じやすく、60-70歳代の年齢から多くみられるようになります。症状は表面がカサカサした赤みのある斑点(はんてん)であることが多く(図2)、1カ所だけでなく、多発することもあります。

 日光角化症の診断    ◀

 病変部の皮膚の一部を切りとって、顕微鏡で細胞を確認して診断します。

 日光角化症の主な治療法 ◀
  1. 液体窒素による凍結療法
    簡便で有効な治療法です。複数回、繰り返して行うことがあります。

  2. 外科的切除
    凍結療法をしても再発する場合に行うことがあります。顕微鏡の検査でがん細胞が表皮の全体にみられる場合は、有棘細胞がんの治療に準じて切除術を行います。

  3. イミキモド軟膏外用治療
    日光角化症が多発している場合や手術や凍結療法をしにくい場合に行うことがあります。

 日光角化症の予防法   ◀

 日光角化症は、日に焼けても赤くなるだけで、黒くなりにくい肌のタイプの人に起こりやすいと言われています。そのような肌のタイプの人は、子供の頃から日焼け止めを使用して、過度に日光にあたらないようにすることが大事です。

(皮膚科 部長 竹尾 直子)

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