抗菌薬適正使用支援チーム(AST)について

大分県立病院ニュース

2019年02月19日

 医療現場において感染症を制御する(感染症の発生を未然に予防し、また発生した感染症を制圧する)ためには「院内感染防止対策」と「感染症診療支援」が2つの歯車のように重要です。

 「院内感染防止対策」については以前から感染対策チーム(ICT:Infection Control Team)が、感染症の発生状況の把握(サーベイランス)や手指衛生などの感染予防策の推進を中心に活動してきました。
 「感染症診療支援」では薬剤耐性(AMR:Antimicrobial Resistance)対策の推進、特に抗菌薬の適正使用の推進の観点から、抗菌薬適正使用支援チーム(AST:Antimicrobial Stewardship Team)の設置が望まれ、当院でも2018年4月から活動しています。
 抗菌薬適正使用支援とは、個々の患者に対して最大限の治療効果を導くと同時に、有害事象を最小限にとどめ、いち早く感染症治療が完了できる(最適化する)ようにする目的で、主治医が抗菌薬を使用する際に、感染症専門の医師や薬剤師、臨床検査技師、看護師らが支援を行うことです。

 安易な(不適切な)抗菌薬の使用は耐性菌を発生あるいは蔓延させる原因となるため、抗菌薬適正使用支援を推進することは耐性菌の出現を防ぐ、あるいは遅らせることができ、医療コストの削減にも繋がることが報告されています。
 当院ではICT/ASTが感染症制御のため日々活動しています。

(感染管理室室長 医師 山﨑透)

※掲載内容の詳細は各科外来・各病棟でお尋ねください。

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