小児在宅支援チームの役割

大分県立病院ニュース

2019年08月29日

 当院は、小さく産まれた赤ちゃんや、重い病気や大きな事故にあった子どもの医療を担っています。このような赤ちゃんや子どもの中には、退院後も自宅で、人工呼吸器や酸素吸入等の各種の医療的ケアが必要となる場合があります。医療的ケアを必要とする子どもとご家族が安心して退院し、自宅で過ごすことができるように、新生児科・小児科・小児外科の医師、外来・病棟看護師、小児看護専門看護師、新生児・小児在宅支援コーディネーター等多職種で小児在宅支援チームを作り、活動しています。主な活動は以下のとおりです。

退院支援

 主治医、担当看護師、新生児・小児在宅支援コーディネーターが中心となり、ケアの練習やご家族への支援体制の調整、試験外泊等退院の準備を行います。子どもの治療やケアの方針について、チーム内、そして、退院後の支援の中心となる訪問診療の医師や訪問看護師、ヘルパー、保健師等ともカンファレンスを行い、情報共有し、退院後も継続した支援が行えるようにしています。新生児病棟を退院する子どもとご家族で、必要な方には、外来だけでなく小児病棟の見学やスタッフとの顔合わせ等を提案し、安心していただけるように努めています。

在宅移行・在宅療養支援

 退院直後は、環境の変化で子どもの体調が不安定になりやすく、ご家族も自宅でのケアや子どもの状態の判断に慣れる途中の段階です。自宅での生活へスムーズに移行できるように、訪問看護師やヘルパーの訪問に合わせて、当院からも一緒に訪問看護を行い、子どもの様子を確認し、ご家族の不安、疑問への対応や、もっと良いケアの方法はないか等を考えています。また、すでに自宅で過ごしている子どもも、病状の変化や、成長に伴って様々な問題が生じることがあります。そのような場合も、チームでカンファレンスを行い、問題解決できるようにしています。

教育活動・ネットワーク拡充

 子どもの在宅療養を支援する体制や施設はまだまだ少ないのが現状です。そこで、チームメンバーは、小児在宅医療に関する研修会の企画や県内の小児在宅医療の関連機関が参加する会議に参加し、情報収集やネットワーク作りを行っています。

 子どもとご家族が安心して退院し、自宅で過ごすことができるよう、地域の訪問スタッフの方々と連携・協働し、支援していきたいと考えています。退院や、自宅での生活で不安や質問等ございましたら、お気軽にご相談ください。

(小児在宅支援チーム 訪問担当看護師 黒木雪絵)

※掲載内容の詳細は各科外来・各病棟でお尋ねください。

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