難治性の副鼻腔炎、好酸球性副鼻腔炎とは

大分県立病院ニュース

2021年12月27日

 耳鼻咽喉科で多く見かける慢性副鼻腔炎(図)ですが、その1割に好酸球性副鼻腔炎が存在していると言われています。好酸球性副鼻腔炎では、鼻茸の影響に伴う嗅覚障害が強いのが特徴で、喘息や好酸球性中耳炎を多く合併します(表)。従来の保存的内服加療や手術を行っても再発を繰り返すため難治性と言われ、現在国の指定難病にも認定されています。

 近年、好酸球性副鼻腔炎の新しい治療としてデュピクセント®(一般名デュピルマブ)という新しい薬が使われるようになりました。このデュピクセントは、タンパク質の一種であるIL-4(インターロイキン4)とIL-13(インターロイキン13)の働きを抑えることで副鼻腔の炎症を軽減し、症状の改善効果が期待されます。2週間もしくは4週間に1度の皮下注射での投与になりますが、治療費が高額になることが多いため、耳鼻咽喉科難病指定医師の診断の上、指定難病に対する医療費助成制度を使用していただくことが望ましいです。
 副鼻腔炎の症状にお困りの方は、一度近くの耳鼻咽喉科で適切な診断をつけていただくことをお勧めします。

(耳鼻咽喉科 医師 藤永 真希)

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