精神医療センター所長あいさつ
令和2年10月に大分県立病院に精神医療センターを開設しました。当センターの主な役割としては精神科救急医療と身体合併症の急性期の対応です。精神科救急医療に関しては、これまで大分県では精神科救急医療に対応できる病院はなく、大きな懸案事項となっていました。また、もともと精神疾患をもたれていて身体の問題を抱えた患者さん、身体疾患をもたれていて精神的な問題を抱えた患者さんの受け皿が大分県では十分ではありません。精神医療センターではそのような患者さんに積極的に対応していきたいと考えています。
施設面でも多様な症例に対応できるように36床中、24床を個室として整備しています。
精神科急性期患者や身体合併症患者を迅速に、短期的・集中的に受け入れ、できるだけ早く患者さんが地域に戻れるようなセンターを目指していきたいと考えています。
医療機関をはじめとして、保健所、行政、消防、警察など多くの機関と積極的に連携しながら大分県精神科救急医療体制を構築していきたいと思いますので、今後ともご協力のほどよろしくお願いします。
理念・基本方針
理念
大分県立病院本院の基本理念(奉仕、信頼、進歩)に加え、患者さんの人権を擁護し、安全な精神医療を提供します。
基本方針
他施設では困難な精神科医療への対応
24時間365日、他施設では対応困難な精神科急性期患者や身体合併症患者に対して、本院の身体科と一体となって、短期・集中的治療を行います。
患者中心の医療
精神保健福祉法を遵守し、患者さんの人権に十分配慮した医療を行います。
院内外との連携
本院の身体科や院外の医療機関、関係機関と連携し、患者さんの早期の社会復帰を目指します。
健全な経営
在院日数や在宅復帰率、再入院率などの指標を把握しながら健全な経営に努めます。
沿革
1959 (昭和34年) | 大分県立病院に神経科を新設 |
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1975 (昭和50年) | 精神神経科に改称 |
1992 (平成4年) | 新病院完成 大分市豊饒(現在地)に移転 |
2008 (平成20年) | 精神神経科外来を閉鎖 |
2010 (平成22年) | 精神神経科外来を再開 |
2015 (平成27年) | 大分県が「県立精神科基本構想検討委員会」を設立 |
2016 (平成28年) | 上記委員会が「県立精神科基本構想」を知事へ報告 |
2019 (平成31年) | 精神医療センター準備室を新設 |
2020 (令和2年) | 精神医療センター竣工 |
精神医療センター開設(10月1日) |
施設概要
名称 | 大分県立病院精神医療センター |
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構造 | 鉄筋コンクリート2階建 1階:外来 2階:病棟 |
延床面積 | 2,994m2 |
病床数 | 36床 保護室8床、HCU2床、身体合併症個室6床、個室8床、多床室12床(4人部屋×3室) |
施設基準等届出事項
基本診療料
(令和2年10月1日現在)
- 精神病棟入院基本料 15対1入院基本料
- 精神病棟入院基本料 注4 重度認知症加算
- 看護配置加算
- 看護補助加算1
- 精神科応急入院施設管理加算
- 精神病棟入院時医学管理加算
- 精神科身体合併症管理加算
- 精神科リエゾンチーム加算
特掲診療料
(令和2年10月1日現在)
- 精神科退院時共同指導料2
- 抗精神病特定薬剤治療指導管理料(治療抵抗性統合失調症治療指導管理料に限る。)
- 医療保護入院等診療料
入院について
精神医療センターへの入院には精神保健福祉法上の手続きが必要です。
入院時にご家族(配偶者、2親等以内の血族)の同伴をお願いいたします。家族がいない方はご相談ください。
法に基づいたいずれの入院形態にも該当しない場合は、入院できません。
精神保健福祉法に基づいた入院形態
任意入院
ご本人の同意のもとに成立します。
医療保護入院
精神保健指定医の診察の結果、入院治療が必要と判断された場合に、ご本人からの同意が困難な場合、ご家族の同意のもとに成立します。
応急入院
精神保健指定医の診察の結果、入院治療が必要と判断された場合に、ご本人・ご家族の同意が得られない場合、72時間を限度に行われます。
措置入院
精神障害のために自傷他害の恐れがある場合で、知事の指示による2名の精神保健指定医の診察の結果、措置入院が必要と判断された場合に、知事の決定により行われます。
外来について
精神医療センターの外来では、原則として、かかりつけ医からの紹介による患者さんを診療します。新患・再来とも予約制です。
初診時は、ご家族もできるだけご本人に同行してください。
当科では、病状の安定した患者さんの外来通院を、できるだけ、身近な病院か診療所の先生にお願いしています。再来診療が必要な患者さんへは、当科が責任をもって、地域の医療機関をご紹介いたします。